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  2005-03-17 DVDが全てコピー不可

 米マクロビジョン社は、DVDソフトのコピーを不可能にする技術「RipGuard DVD」を発表した。現在、市販のDVDソフトの大半には「CSS」というコピーガードが施されているが、これは「DeCSS」というプログラムによって容易に解除する事が可能。「DVD Decrypter」や「DVD Shrink」といった、DeCSSを搭載したソフトを使用することで、DVDソフトは、事実上自由に複製できる状態になっている。今回発表された「RipGuard DVD」は、こうしたDeCSSによる複製を防ぐもの。マクロビジョン社によれば、この「RipGuard DVD」を同社のアナログ複製防止技術とあわせて利用することで、現在世界中で行われているDVDコピーのうち97%を防止できるという。

>> 米マクロビジョン社

  2005-02-12 脳を直接コンピュータへ接続

 人の脳内に流れる電気信号をコンピュータに直接結びつける事で、考えるだけでコンピュータを操作できる技術 Brain Computer Interface (BCI) の臨床実験の一部が、米Cyberkinetics社より公開された。Brain Gate (同社開発BCIのコードネーム)を構成しているコンピュータチップは、2mm四方に100個の電極を並べたもので、外科手術により被験者の頭蓋骨の内部、大脳の運動皮質と呼ばれる部分に埋め込まれる。これによって被験者が考えるだけでパソコンを操作してメールを開いたり、電灯のスイッチを消したり、家電やロボットアームなどを操作できるようなったという。

>> Cyberkinetics Inc.

  2005-01-15 電子ペーパー広告看板

 凸版印刷株式会社とNECシステム建設株式会社は、米Einkの電子ペーパーを使用した広告看板を開発した。第1号機を
JR飯田橋駅東口の改札口付近に設置し、凸版印刷の企業広告媒体として使用する。ディスプレイは、電子ペーパーを使った前面版と画素電極の背面版を組み合わせた電子表示タイルを、22枚並べて構成。ディスプレイのサイズは縦520mm。内臓コンピュータで制御する事で、広告情報を日時や時間帯に応じて切り替える事が可能。また、遠隔地にあるパソコンとPHS網を介した無線通信によって変更する事もできる。なお、凸版印刷は大型表示板や広告看板用途のディスプレイモジュールを2005年度内に供給開始する計画だという。

>> 凸版印刷株式会社

  2004-12-13 ペット用埋め込みチップ

 米デジタル・エンジェル社は、大日本製薬からペット用の埋め込みチップ「バイオサーモ・インプランタブル・マイクロチップ」を25,000個受注したと発表した。日本国内のペット市場へ向け、同チップが本格的に輸出されるのは初めて。同社は、人体埋め込みチップ「ペリチップ」を販売している米アプライド・デジタル社の個会社。バイオサーモ・チップは、ペットの体内に埋め込む超小型のRFIDチップで、個体識別や体温測定が可能というもの。すでにオーストラリアやドイツではペットへのチップ埋め込みが30%以上にすすみ、迷子防止や飼い主の責任を明確にするために利用されている。同社によると、日本ではペットとして犬が1,000万匹、猫が750万匹飼われており、巨大市場として注目している。

>> デジタル・エンジェル社

  2004-11-14 タッチ通信システム

 松下電工株式会社は、人体を通信ケーブルの代わりに利用して、近距離のデータ通信を行う「人体通信」の実用化に成功したと発表。商品データ入力装置として、計量器メーカーへの販売を開始した。この「タッチ通信システム」の価格はオープン価格。同システムは、人体に微弱な電流(交流)を流し、その電流にデータをのせることで通信を実現する新しい通信方式。腕時計型などの通信機を装着した手で情報端末の電極にタッチするだけで、データ通信が可能となる。
また、専用チップを用いた小型化タイプでは、人と機器間だけでなく、人体と人体の間での通信も行うことができる。今後、同社はこの技術を応用した新しいシステムを展開する予定だという。

>> 松下電工株式会社

  2004-10-15 DNA半導体

 独立行政法人物質・材料研究機構と東北大学などによる研究チームは、DNAの電気抵抗を制御する機構を発見したと発表した。生体分子としてのDNAは、通常周りに金属イオンや水分子が存在している。本研究ではコンピュータによるシミュレーションで、DNAだけでなく周りの金属イオンや水分子も含めたこれらの相互作用によって調査を行った。その結果、生体環境では絶縁体だったDNAが、特定の種類の金属イオンと結合し、さらにその金属イオンの周囲の水分子を除去することにより半導体化することが分かった。この技術が実用化されれば、DNAを半導体として利用した極微小サイズの電子部品の開発が現実可能となると期待されている。
周りに水のないマグネシウム(Mg)や亜鉛(Zn)から正孔がDNAの塩基に移り、その正孔がDNAに電圧をかけることにより電気を運ぶ。金属イオンにあったときは自由に動けなかった正孔(白丸)がDNAの塩基中では自由に動くことができる正孔(黒丸)になる。正孔が動けるか動けないかは電子状態を調べる事により判定できる。
(物質・材料研究機構プレスリリースより)

>> 独立行政法人物質・材料研究機構

  2004-09-16 眼球の映像を解析する技術

 人間の眼に写っている画像から、その人が見ている風景や、どの部分を注視していたかを正確に割り出す技術を、米コロンビア大のシュリー・K・ナイヤー教授と同大の研究員の西野恒博士が開発した。眼球の角膜に映った像を600万画素のデジタルカメラで撮影して平面の画像に変換し、瞳孔の位置からその人が実際に見ている領域を検出する仕組み。古い写真に写っている人物の眼から周囲の状況や何を見ていたかを読み取ったり、声明を読み上げるテロリストの目から居場所などにかかわる情報を得る、といった応用が考えられるという。

>> Columbia University

  2004-08-18 宇宙で浮遊するボール型PC

 米NASAは、球形のコンピュータ「パーソナル・サテライト・アシスタント(PSA)」を公開した。これはサッカーボール程度の大きさの装置で、無重力の宇宙ステーションや宇宙船の内部を浮遊する。酸素濃度や気圧などを測定・調整する、いわば生命維持装置の機能を担いつつ、宇宙飛行士に作業の手順をガイドするためのコンピュータだ。今回発表された試作機の場合、CPUにはPentiumUを搭載、OSにLinuxを採用している。「スタートレック」に登場する同様のコンピュータを参考にしたとされるこの装置により、宇宙飛行士の研究活動以外の作業が軽減sれる。また、宇宙飛行士がシャトルなどの密閉空間に入る前に、あらかじめ有毒ガスなどをこれでチェックする事も可能だ。

>> The Personal Satellite Assistant Project

  2004-07-10 遠隔共同手術システム

 慶應義塾大学医学部と東京医療センターは、オリンパス、シスコシステムズ、フォーカスシステムズ、日本テレコムの4社と共同で、広域Ethernet経由で内視鏡手術を遠隔地からサポートするシステムを開発した。実際に同システムを利用した手術が、東京医療センターで3月25日に行われ、成功したと発表している。この「遠隔共同手術システム」は、広域Ethernet経由で送られてくる内視鏡の映像を遠隔地の熟練した医師がリアルタイムで確認し、現場の医師に音声で直接指導するというもの。これによって患者が世界のどこにいても高度な手術を受けられるようになる。また、執刀医以外の医師が手術を監視する事で、医療ミスの隠蔽なども防げるとしている。

>> 慶應義塾大学医学部

  2004-06-13 紙製25GB DVD-ROM

 凸版印刷とソニーは、ディスク基盤に紙を素材として使用した大容量DVD-ROMの開発に成功したと発表した。これは、ソニーが推進する次世代DVD規格であるBlu-rayディスクの仕様に基づいたもので、データ容量は25GB。このディスクの全体積に占める紙素材の量(紙化率)は51%以上、これは分類上「紙ゴミ」として廃棄できる数値だ。また通常の紙のようにハサミで切ることも容易なため、廃棄時に切り刻んでおけばデータの流出を防ぐ事もできる。紙素材である事による軽量性と印刷の容易さから、雑誌などの付録としての用途も期待できるだろう。同じ素材を使用したライトワンス式のBD-Rも現在開発中で、実用化は3〜4年後を目標としているとのこと。

>> 凸版印刷株式会社

  2004-05-12 厚さが変わる流体レンズ

 オランダの Royal Philips Electronics は、屈折率の異なる2種類の流体を使い、自由に焦点距離を変える事ができる「Fluid Focus レンズ」を開発した。ピントを合わせに機械的な仕組みが必要ないのが特徴で、デジタルカメラやカメラ付き携帯電話などでの用途が想定されている。レンズの仕組みは人間の眼球のように、水晶体の厚みを電圧を加えることで変化させ、ピントを合わせる。すでに直径3mm、厚さ2.2mmのレンズの試作に成功している。また、同レンズは量産プロセスに適しているほか、100万回以上の変形テストでも光学性能の劣化がない高い耐久性も既に実証されている。

>> Royal Philips Electronics,Ink.

  2004-04-15 分子にバーコードを刻む技術

 岡崎国立共同研究機構分子科学研究所の大森賢治教授らが物質を構成する原子や分子ひとつひとつにバーコードのように情報を書き込む実験に成功した。この技術は量子力学を利用した未来の超高速計算機や、医療などに役立つナノテクノロジへの応用に期待できるという。原子や分子は細かく振動しており、レーザーパルスが当たるとそのエネルギーで振動のパターンが変わる。今回の実験では、この振動をレーザーで制御することに成功したという。この成功によって半導体素子の代わりに、原子や分子の状態を情報として利用する事が可能になり、現在の計算機では事実上計算不可能な問題を超高速処理できる「量子計算機」に応用できる可能性があるという。

>> 岡崎国立共同研究機構分子科学研究所

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